内海皮フ科のブログ

  • 皮膚疾患、漢方治療の裏ワザ

 

テキストや能書に載っていない漢方薬の処方が、臨床の場では用いられ、有効なことがあります。いくつかを紹介します。

柴苓湯。柴苓湯パート2で紹介しましたが、ステロイド様効果を期待できます。皮膚炎の急性期にはステロイドを処方することが多く、糖尿病でステロイドを処方できない患者さんに処方することがあります。またにきび跡を改善し、ケロイドを縮小する効果もあります。

六君子湯。胃腸の働きを良くする漢方薬ですが、打ち身などで紫斑ができた場合に投与すると、比較的早く紫斑が消失することが期待できます。

人参養栄湯。褥瘡(じょくそう)に奏効することがあります。高齢者施設でよく褥瘡の方を診ることがありますが、体力をつけることによって褥瘡が良くなっていきます。他に補中益気湯十全大補湯なども有効ですが、私は人参養栄湯をよく処方しています。

 他にもまだありますが、またの機会に紹介したいと思います。

 

2022年7月30日記載