• 消風散と温清飲

6月も終わりが近づき、蒸し暑い日々が続いています。夏になるとアトピー性皮膚炎の患者さんに対する処方を温清飲(うんせいいん)から消風散に変えるようにしています。

温清飲はのぼせやすく、痒みが強く、皮膚枯燥し、乾燥落屑の傾向が強い場合に用います。冬場の乾燥時期のアトピー性皮膚炎の患者さんによく処方しています。消風散は分泌物があって痂疲を形成し、痒みの強い場合に用います。夏場の湿潤時期のアトピー性皮膚炎の患者さんによく処方しています。

 消風散と温清飲は標治(現在の症状を治すこと)として処方しますが、もちろんアトピー性皮膚炎の治療には本治(体質を改善する事)の処方も重要です。

 本治の処方は年中通して基本的には変わりませんが、標治は季節を感じながら処方するところが、西洋医学にはない東洋医学の興味深いところです。

(一部、高山宏正著、腹証図解 漢方常用処方解説より引用)

2023.6.30記載