2022-01-01から1年間の記事一覧

内海皮フ科のブログ

皮膚病雑記帳 漢方薬の供給不足 コロナ禍で漢方薬の供給不足が続いていています。漢方薬の需要がコロナ感染の拡大で増加したこと、世界的な生薬不足が原因と思われます。 しかし西洋薬と異なり漢方薬は比較的融通が利く薬剤なので、ある薬剤が無くても他のも…

内海皮フ科のブログ

コレクチム軟膏と漢方薬 2年前からアトピー性皮膚炎に有効なJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤のコレクチム軟膏が処方できるようになり、有効例が多く、患者さんにとって福音となっています。 JAK(ヤヌスキナーゼ)はアトピー性皮膚炎に関わるIL(インターロイ…

内海皮フ科のブログ

色で選択するにきび(尋常性痤瘡)の漢方処方 松田邦夫先生の著書、『症例による漢方治療の実際』に、師匠の大塚敬節先生は、にきびの発疹の色で漢方処方を選択していたと記載されていたので紹介します。 赤いにきびには清上防風湯、青いにきびには桂枝茯苓…

内海皮フ科のブログ

色で選択するにきび(尋常性痤瘡)の漢方処方 松田邦夫先生の著書、『症例による漢方治療の実際』に、師匠の大塚敬節先生は、にきびの発疹の色で漢方処方を選択していたと記載されていたので紹介します。 赤いにきびには清上防風湯、青いにきびには桂枝茯苓…

内海皮フ科のブログ

皮膚疾患、漢方治療の裏ワザ テキストや能書に載っていない漢方薬の処方が、臨床の場では用いられ、有効なことがあります。いくつかを紹介します。 柴苓湯。柴苓湯パート2で紹介しましたが、ステロイド様効果を期待できます。皮膚炎の急性期にはステロイド…

内海皮膚科のブログ 真武湯 パート2 真武湯は私がよく処方している漢方薬の一つで10年ほど前にブログで紹介しました。処方の目標は、新陳代謝が低下して体力が虚弱な人で、全身倦怠感や四肢の冷感や下痢、腹痛を訴えるなどです。 今月15日に出雲市で漢方の…

内海皮フ科のブログ

柴葛解肌湯(さいかつげきとう) 今年の日本東洋医学会総会は新型コロナウイルス感染の影響で、昨年に続いてオンライン形式で開催されました。興味のあるセミナーをWEBで視聴しました。 その中で「新型コロナウイルス感染症に対する漢方治療」というタイトル…

内海皮フ科のブログ

蕁麻疹に葛根湯 風邪の初期によく処方される葛根湯ですが、昨年の3月に葛根湯について記載し、その中で、急性期の蕁麻疹で発疹が熱を帯びている時に、抗アレルギー剤と併用すると発疹の出現を抑える効果が増すことがあると紹介しました。 蕁麻疹に対して優…

内海皮フ科のブログ

柴苓湯パート2 2年ほど前の8月に柴苓湯について記載しました。糖尿病や緑内障の患者さんにはステロイドを処方できないので、皮膚疾患の治療にステロイドの代替えとして柴苓湯を使うことがあります。ステロイドの内服より即効性はありませんが、じわじわと効…

内海皮フ科のブログ

No.259 茶色の手帳 私の診察室の棚にはスマホよりやや小さ目の茶色の手帳がいつも置いてあります。茶色の表紙に茶色の文字(判読しにくいですが)でTSMURA KAMPO MEDICINE FOR ETHICAL USE, その下にツムラ医療用漢方製剤と記されています。 裏表紙に制作が2…