内海皮フ科のブログ

 

梔子柏皮湯(ししはくひとう)

 今年はスギやヒノキの花粉に悩まされている患者さんが多いようです。顔面の皮膚炎で来院される患者さんで、鼻炎を伴っている場合は皮膚炎の原因は花粉によるものと思われます。

 顔面の皮膚炎に対しては、抗アレルギー剤の内服、弱めのステロイド外用薬の塗布でほぼ改善します。特に眼周囲に皮疹を認める時はこれらの西洋薬とともに漢方薬の梔子柏皮湯をよく処方しています。

 梔子柏皮湯は山梔子(サンシシ)、甘草(カンゾウ)、黄柏(オウバク)の3つの生薬から構成されています。肝臓部に圧迫感がある皮膚のかゆみ、黄疸などの症状があるものに用いる漢方薬です。通常、黄疸、皮膚そう痒症、二日酔いの治療に用いられます。皮膚科的には眼周囲の皮膚炎によく処方しています。西洋薬単独の処方より良く効いていると実感しています。

2023.3.30記載