内海皮フ科のブログ

  • 色で選択するにきび(尋常性痤瘡)の漢方処方

 

 松田邦夫先生の著書、『症例による漢方治療の実際』に、師匠の大塚敬節先生は、にきびの発疹の色で漢方処方を選択していたと記載されていたので紹介します。

 赤いにきびには清上防風湯、青いにきびには桂枝茯苓丸、白いにきびには当帰芍薬散を処方されていました。いずれも薏苡仁6.0gを加え、便秘する者には必ず大黄適量を加えると記載されています。

 松田邦夫先生によると、
赤いにきび:顔面が潮紅し、にきびも赤く、隆起も赤みを帯びているもの。
青いにきび:鬱血性の体質のもの、婦人でのぼせやすく、口唇が紫色で、下腹部に抵抗圧痛

(瘀血)があり、月経異常などがあるもの。

  白いにきび:遠くから見ると大したことはないが、近くから見るとぶつぶつとしているものが適応となる。白いといっても色白という意味ではなく、皮膚の色が変わらないという程度の意味である。貧血性で、冷え性の婦人などが適応となる、と記載されています。

 松田邦夫先生は内科の先生ですが、皮膚を細かく観察されています。

 

2022.10.29記載