内海皮フ科のブログ

皮膚病雑記帳

 

漢方薬の供給不足

 

コロナ禍で漢方薬の供給不足が続いていています。漢方薬の需要がコロナ感染の拡大で増加したこと、世界的な生薬不足が原因と思われます。

しかし西洋薬と異なり漢方薬は比較的融通が利く薬剤なので、ある薬剤が無くても他のもので代用することが可能なことがあります。

例えば風邪によく処方される葛根湯が無ければそれに近い、麻黄湯や桂枝湯で何とか対応することが可能です。もちろんそれぞれ対応する病態に違いがありますが、大きくは違っていないので、ある程度の効果は期待できます。体力の低下した人に処方する補剤についても同様です。3大補剤として補中益気湯十全大補湯、人参養栄湯があります。補中益気湯気虚十全大補湯は気血両虚、人参養栄湯は気血両虚に安神、止咳の剤が加わったものです。補中益気湯が無ければ十全大補湯、人参養栄湯で代用することが何とか可能です。
 西洋薬と違ってある程度の融通が利くのも漢方薬の良いところです。
               (一部、高山宏正著 腹証図解 漢方常用処方解説より引用)

 2022.12.31記載