内海皮フ科のブログ

季節を感じる漢方薬

 

私の住んでいる松江市では、1月の後半になって雪が続く毎日が続いています。毎日雪の除去に苦戦しています。10年ぶりの寒波ということですが、TVでは地球温暖化が逆に影響していると報道していました。真冬の寒さを体験しています。

季節の移り変わりを実感するこの頃でですが、アトピー性皮膚炎の治療において、定期的に通院している患者さんに、冬になってきたので、標治(出ている皮疹を治療する)に処方していた消風散を、温清飲(うんせいいん)に変える患者さんが多くいます。夏には炎症を抑える消風散が効果的で、冬には乾燥した皮膚に潤いを与える四物湯と熱をさます黄連解毒湯を合方した温清飲が有効です。

また、この冬は寒さが厳しく、例年に比べて凍瘡(しもやけ)の患者さんが多いようです。凍瘡にはビタミンEや血行を良くする軟膏とともに、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)や温経湯(うんけいとう)を処方しています。

季節によって色々な漢方薬を処方できるのは、西洋医学にはない、漢方医学の特徴の一つです。

2023.1.31記載