内海皮フ科のブログ

  • 蕁麻疹に葛根湯

 

   風邪の初期によく処方される葛根湯ですが、昨年の3月に葛根湯について記載し、その中で、急性期の蕁麻疹で発疹が熱を帯びている時に、抗アレルギー剤と併用すると発疹の出現を抑える効果が増すことがあると紹介しました。

   蕁麻疹に対して優れた西洋薬の抗アレルギー剤がこれまで多く登場しましたが、1剤だけでは効果がなく、複数の薬剤を処方した際には眠気を生じることがあります。その場合に葛根湯を処方することがあります。葛根湯には眠気を抑える効果があります。勧められませんが、受験生が眠気覚ましに葛根湯を服用する話を聞いたことがあります。

   なお葛根湯は蕁麻疹の適応病名があるので、西洋薬との併用は問題ないと思われます。但し甘草が含まれているので長期連用には気をつける必要があります。

   急性期の蕁麻疹への効果と眠気の副作用抑制との2つの効果を期待して、葛根湯を時々処方しています。

 

2022年5月30日記載